超音波検査
ここでは、「産婦人科の聴診器」といっても過言ではない「超音波検査」について解説します。
超音波検査とは?
「超音波」とは人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ音波のことです。
この超音波を発生させる装置を利用して体内の様子を観察することを「超音波検査」といいます。
漁師さんがお魚がどこにいるのかを探る「魚群探知機」も同じ原理ですね。
超音波検査が医学的に使用しやすいのは、リアルタイムに、侵襲が少なく内部の様子を知ることができるからですね。
特に胎児の観察をするには最良の方法です。
胎児以外にも産婦人科領域では子宮、卵巣、卵管の形や大きさを観察するときに利用します。
内科では大人の心臓や肝臓を検査するときに超音波検査が利用されます。
あたりまえですが、母体の内部にいる胎児をみることができるので、胎児の心臓や肝臓などの内部も簡単に観察することができます。かわいい赤ちゃんのあくびや心臓のうごき、寝返りなどを医師と一緒にお母さんも観察できるんです。
超音波検査ってどんな原理なの?
専用の器具(プローべといいます)を患者さんのおなかに当てると、そのプローべから超音波がでて、おなかの中のいろんな臓器に音波が反射してまたプローべへ帰ってきます。
その帰ってきたいろんな音波の情報をコンピューターが解析して白黒画像のグレースケールとして表現します。
基本的に骨などの硬いものは「白く」、羊水や血液、尿などの液体は「黒く」表現されます。
その間の肝臓や筋肉など少し柔らかいものは「グレー」で表現されます。
(もちろん3段階表示ではなく多段階のグレースケールですが)
超音波検査の弱点
ものすごく硬いものはその表面で音波が全て反射してしまいますので、その内部構造は分からなくなります。骨があるとその後ろは情報が得られません(影を引いたようになります)。
ただし、赤ちゃんの頭の骨は薄く軟らかいので赤ちゃんの脳を観察することができます。
また、空気があると超音波が伝わらないので、プローべをおなかから少しでも離すととたんに画像が得られなくなります。
プローべををおなかにあてるときにゼリーを塗りますね。
あれはプローべとおなかの間のわずかな隙間の空気によって、画質が落ちるのを防ぐために塗ってるんです。滑りを良くするだけではないんですね。
プローべの種類
おなかの上から胎児を見るときは横幅8センチくらいの大きなプローベを使用します。
一方、直径1.5センチほどのプローベは経膣プローベと呼ばれ内診のときに使用します。
画像は超音波検査機器本体と経膣プローベです。
向かって右の写真は、細長い棒がたててありますがこれが経膣プローベです。
先端の大きさは成人の親指くらいです。
患者さん毎に清潔な使い捨てのゴムカバーをプローベの先端につけて、膣内に挿入します。
奥まで挿入すると子宮の入り口(子宮頸部)に突き当たります。
超音波がでる部分を子宮のすぐそばまで近づけることで子宮や卵巣をより詳細に調べることができます。
超音波検査で何がわかるの?
ざっとあげてみます。
子宮内の5mm位の胎嚢(赤ちゃんがいる袋)、胎児の状態や異常の有無、双胎妊娠の確認、胞状奇胎の有無、流産の予想、子宮内膜の状態、子宮や卵巣の腫瘤の有無(卵巣腫瘍や子宮筋腫)、子宮外妊娠の有無、子宮周囲にたまった腹水や血液の有無、排卵の予想、子宮頸部の状態から切迫早産の予想・・・・などなど、これ以外にも沢山のことがわかります。


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