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<産婦人科の基礎知識/不妊症や妊娠のお勉強

つわり

妊娠するとほとんどの方が大なり小なりつわりを経験します。
つわりは悪心、嘔吐、食欲不振、嗅覚や感受性の亢進などの不快な症状をいいます。 つわりは妊娠4週頃からはじまりますが、自覚があるのが5〜6週ころが多いですね。 胎盤が完成する15週あたりまでに落ち着くようですが、なかには妊娠中持続する方、一度治まって妊娠後期でまた症状がひどくなる方もいらっしゃいます。

つわりの起こる理由は実ははっきりしていないんです。
妊娠初期から急激に増加するhCGというホルモンが関係しているのではないかと思われます。 妊娠とともにhCGは指数関数的に増加してゆきますが、妊娠10〜12週くらいにピークがきてその後は低下し比較的低い値を妊娠中はキープします。(妊娠中もゼロにはならないんですね。) このhCGの増減にともなってつわりの症状が変化しているようです。 精神的な要因も関与することもあります。 妊娠に対する不安や心配、気遣いから症状が悪化することもあります。

こんな例がありました。 脱水がひどくて緊急で大量の点滴が必要なくらい重症化した患者さんがいました。 どうしても耐えられないということで、強い希望で妊娠中絶を選択されました。 ところが、中絶を決定したとたんに症状がほとんどなくなってしまいました。 生命兆候も変動するくらいの症状だったので演技ではなかったと思います。 後から話を聞くとどうやら旦那さんのお子さんじゃない可能性があり、それがひっかかっていたとのことでした・・・。 精神的な要因でもつわりはひどくなりえるという訳です。

つわりは「妊娠悪阻(おそ)」と同じ意味で使用されることも多いですが、正確には「つわり」がひどくなったものを「妊娠悪阻」といいます。 水分や食べ物の摂取が出来なくなり、全身状態もわるくなり、日常生活に支障がでてくると「妊娠悪阻」と診断されるわけです。 この辺の明確な線引きがはっきりしていないので同じような意味でとらえられています。 さらに重症となると「重症妊娠悪阻」となり入院管理が必要となります。

「たべつわり」といって、食べている方が気分がよい、という場合もよくあります。 この場合は症状が軽いことが多いですね。 食べられなくて体重が減っても元気があれば問題とはなりませんが、起きあがれなくなったり脱水がすすむと治療の対象となります。 どんなにつわりがひどくても赤ちゃんが成長しないことはほとんどありません。 このころの胎児はとても小さいのでお母さんが生きている限り栄養を摂取することは可能と思われます。

重症化して治療を行うといってもつわりに対して特効薬があるわけではありません。
水分補給の点滴をしたり、吐き気止め薬、ビタミン剤、肝臓を守る薬などを投与し、安静を指示します。 対症療法をしながら時期が過ぎるのを待つことになります。

つわりの時期のアドバイスとして・・・

・食べたいものを、食べたいときに、食べられるだけ、というのが基本です。
・一度の沢山とらずに小分けにして。
・消化の良いものやさっぱりしたものを。
・赤ちゃんはこの時期栄養は沢山いりませんので心配しすぎないことも大切です。
・空腹が症状を引き起こしやすく、簡単に食べられるビスケットなども近くにあるといいですね。




 

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