膣・外陰血腫

膣・外陰血腫

膣・外陰血腫とは?

血腫とは血液が袋状に貯留し、腫れ上がった状態をいいます。
外傷などが原因で血管が断裂して出血し、体外に流出しないと血腫となる可能性があります。
膣や外陰部に血腫が形成されると膣・外陰血腫といいます。

分娩以外で産婦人科医が時々遭遇する血腫は、女の子の外傷によるものです。
鉄棒や平均台を渡っていて落下し、股間の部分を強打した場合などです。(痛々しいですが・・・) 皮下組織の血管が断裂すると、血圧により皮下組織を押し広げて出血が続き、袋が大きくなり血腫となるわけです。 ある程度の大きさになり広がるための圧力が高くなるか、止血機構が働くと血腫の増大は止まります。

分娩の時に膣壁や外陰部が非常に強く伸展されますが、このとき皮下組織のなかの大きな血管が引き延ばされて耐えきれずに断裂すると血腫が発生します。 大きな会陰裂傷や膣壁裂傷の縫合の後に発生することももちろんありますが、一般的には出血点を確認しながら縫合を進めるためあまり発生しません。 分娩の際の血腫は裂傷部位とは無関係であることも多いんです。 そのため注意深く観察しないと、発見が遅れがちになります。

膣・外陰血腫の症状と診断は?

外陰部や膣入口部の近くに発生することが多いですね。
膣壁が膨らんで、弾力性があり、非常に痛みが強いです。 分娩後の1〜2時間後くらいで血腫が増大してくると、外陰部痛、肛門痛、排便や排尿をしたい感覚などの症状がでてきます。
血腫で特徴的なのは尋常でない痛みと肛門痛です。 膣の奥の方で血腫を形成してしまったときは、痛みという症状がないまま大きな血腫が形成され、急にショック状態に陥ることもあります。

血腫が大きくなると内出血量も増えるので迅速な診断が必要となります。 上記のような症状があったときは必ず丁寧な診察を行い血腫がないかどうかをチェックします。 数センチ、中には10センチを超える血腫となっており見るとすぐにわかります。

膣・外陰血腫の治療は?

血腫の大きさと発生部位により治療が全く違ってきます。
基本的に血腫は自然に吸収されるものです。 小さなものであれば(5センチ以下くらい)痛み止めなどの処方で経過観察することもあります。 しかし、一般的には痛みが強いので小さくても、局所麻酔下に血腫除去術が行われます。

血腫の表面をメスなどで切開し、中の血のかたまり(凝血塊)をまず除去します。
血腫内部に止血していない血管があればそこを確実に縫合止血します。
出血している部分が肉眼的に確認できないときはガーゼなどを詰めて圧迫止血を試みます。
切開した部分は元のように縫合しておきます。
必要に応じてドレーンという管を挿入しておくこともあります。(再度血腫が形成されることを防ぐため)
血液は感染しやすいので抗生剤の投与なども行われます。

血腫除去術が行われれば、血腫のあった部位は急速に治癒してゆきます。 膣の奥深くもしくは後腹膜下血腫といってお腹の中にまで血腫が増大すると、分娩後の血腫としては最重症の状態で、開腹でお腹の方から止血を行います。 場合によっては腹部の大きな血管を縛ったり、血管内に詰め物をして止血するなんてこともあります。 ショック状態となっている場合も多く、輸血のなども含めた総合的な治療が必要です。





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