子宮収縮抑制剤
子宮収縮抑制剤の種類
子宮筋の収縮を抑制する薬剤で代表的な物が「塩酸リトドリン」と「硫酸マグネシウム」です。
後者は点滴剤のみですが、前者は内服薬と点滴剤があります。
塩酸リトドリン
塩酸リトドリンの代表的な薬剤は「ウテメリン」です(商品名はいくつかあります)。
内服薬は外来レベルでの治療に使用され、一回1錠で一日3錠を毎食後に内服することが基本となります。
症状により内服量が増減することもあります。
ウテメリンは点滴版もあります。
専用の点滴用のポンプを使用し持続的(基本的には24時間連続で)に静脈投与します。
最初は少量から開始し、子宮の収縮の抑制具合を観察しながら、薬剤の量を増やしてゆきます。
薬剤の効果も上限があり、それ以上の子宮収縮抑制が必要なときは次の硫酸マグネシウムを併用することもあります。
硫酸マグネシウム
硫酸マグネシウム(商品名「マグネゾール」)は点滴用薬剤です。
ウテメリンが使用できない場合(副作用が強いときなど)やウテメリンでも抑制できないような子宮収縮の抑制に対して併用されることが多いですね。
本来は子癇発作に対して使用される薬剤で、妊娠高血圧症候群(旧妊娠中毒症)の際にも活躍する薬剤です。
ウテメリンと同様、持続点滴での静脈投与なので、24時間持続点滴が行われます。
それぞれの薬剤の副作用
塩酸リトドリンの副作用は沢山あります。
「胸がどきどきする(動悸、頻脈)」、「手の震え(手指振戦)」、「吐き気」などが代表的な副作用です。
動悸と手指振戦はほとんどの方が自覚される副作用です。
これらの副作用は内服や点滴の投与をつづけると慣れてきます。
比較的にまれな副作用ですが、重症化するおそれがある「肺水腫」もあります。
これは肺の中が水浸しになり呼吸困難となるものです。
肺水腫が発生しないように投与中は水分の管理や症状のチェックが重要になります。
硫酸マグネシウムの副作用は「高マグネシウム血症」、「のどの渇き」、「呼吸抑制」、「筋肉の緊張感の低下」などがあります。
投与量が多すぎると呼吸抑制という重篤な副作用が発生するおそれがありますので、厳重な管理が必要となります。
これらの副作用は薬剤を中止することでほとんどが改善するものです。
切迫早産治療薬の効果について
日本では切迫早産の治療といえば子宮収縮抑制剤の投与が広く行われていると思います。 しかし、アメリカではその効果に科学的な根拠が乏しいということで使用や販売が終了しているようです。 日本の施設でも切迫早産の際に安静入院だけで子宮収縮抑制剤を一切使用しないというところも出てきているようです。 データの解析では切迫早産の治療に役に立たないと結論されていますが、実際に点滴剤を中止したとたんに、陣痛が増強し、あっという間に出産に至ったという例にいくつか遭遇すると効果も全くないとは言い難いなあという印象ですね。


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