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子宮弛緩出血

子宮弛緩出血とは?

胎児を栄養するために子宮の血流量はとても多くなっています。 通常の分娩後は、胎児が娩出されて、まもなくして胎盤が娩出されます。 空っぽになった子宮は急速に収縮し、胎盤の剥離面にむき出しとなっている小さな血管群を締め付けその後の出血を抑制してくれます。

分娩後に子宮がちゃんと収縮してくれないと、血管の締め付けが起きずに胎盤の剥離面から大量の出血が続きます。 子宮がちゃんと収縮してくれないことを子宮弛緩症といい、それに伴う異常出血(500ml以上)のことを子宮弛緩出血といいます。

子宮弛緩出血の原因

原因としては以下のようなものがあります。

・体質的なもの
・子宮奇形
・巨大児、羊水過多、多胎、子宮筋腫合併妊娠
・母体疲労、遷延分娩
・子宮収縮剤の長時間使用後
・胎盤、卵膜、凝血塊の遺残
・膀胱や直腸の充満
・全身麻酔
・子宮内感染

巨大児や羊水過多などの物理的な子宮の過伸展が原因となることは多いです。
長時間に及ぶ分娩(遷延分娩、母体疲労、子宮収縮剤の長時間使用)などは子宮の筋肉が疲労して分娩後収縮してくれないことになります。

子宮の内宮は胎盤娩出後は基本的に空っぽになっています。
空っぽになっているからこそ子宮も「きゅっ」と収縮してくれます。
しかし、子宮の中に卵膜や胎盤、血液の固まりなどが残っていると「きゅっ」と完全に収縮してくれません。 そのことが原因で、収縮が悪くなり子宮の内腔に出血がたまり始めるとさらに子宮が膨らんで出血がどんどん増加してゆきます。 つまり出血の悪循環が起こり大量の出血が子宮内に貯留することになります。 たまりにたまった出血は圧力が増して子宮口から突然噴出し大出血して発見されます。 このように分娩直後だけではなく、分娩から数時間たって出血がふえることもあります。

分娩後は十分に内診し子宮の中が空っぽであることを診察しますが、この診察がかなり痛みを伴うことがあります。 しかし、その後の弛緩出血を予防する大切な診察なのでどうかご理解ください。

不思議なことですが、逆に超短時間で分娩が進行して、出産が終了した場合も子宮がゆるみやすくなります。 安産で良かったねといった矢先に大出血をする場合があるので注意が必要なんです。

そのほか尿や便で膀胱や直腸が充満していると子宮が収縮して骨盤内におさまろうとすることを妨げることがあります。 また全身麻酔薬の一部のものは子宮の収縮を抑制するものもあります。

子宮弛緩出血の症状は?

分娩直後は一般的に外出血としての出血が認められます。
特に痛みなどはありません。

出血量が多くなると、頻脈、血圧の低下、出血性ショックなどが出現します。 大きく膨らんだ、柔らかな子宮を腹壁を介して触れることが出来ます。

子宮弛緩出血の診断はどうするの?

ふにゃふにゃで大きな子宮を内診したときは診断が容易です。
会陰裂傷、頚管裂傷、子宮内反症、子宮破裂などを除外します。

子宮弛緩出血の治療はどうするの?

治療のポイントは超迅速な対応です。
出血がある一定の量を超えると血液が薄くなりなかなか止血しなくなるからです。

分娩後は出来るだけ早急に内診を行い、子宮が緩い状態であれば子宮内腔の遺残物などを除去し双手圧迫法を行います。 左手は子宮頚部から子宮体下部を膣内でつかみ、右手は母体腹壁から子宮底部を強く押さえ込み両手の間に子宮を挟み込む形にします。 通常の出血はこの方法でほとんどコントロールすることが出来ます。 収縮が不良な場合は子宮収縮剤を急速に点滴投与し、子宮収縮を促します。

これらの方法でも止血しないときは子宮内に大量のガーゼを充填させる方法や、回復により子宮へ流入する動脈を結紮する方法などがあります。 このような状態の時はすでに大量の出血があることがほとんどなので輸血も必要となります。




 

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