切迫早産
切迫早産とは
妊娠22週から36週までの分娩を早産と定義されています。
早産の期間に子宮収縮や出血、子宮口の開大が認められると早産となる可能性が高くなります。
早産となる危険性が高くなっている状態を早産が切迫している「切迫早産」といいます。
切迫早産の症状
子宮収縮や下腹部痛の自覚、性器出血、帯下の増量などが一般的な症状です。
子宮頸管無力症といって臨床的な自覚症状が全くないのに子宮頚管が開大してくる状態があります。
症状が出てきたときには、「時すでに遅し」となっていることもあり得るのが子宮頸管無力症の怖いところです。
子宮は筋肉であり、正常でも収縮を起こしています。
収縮があったとしても、ときどきで、不規則で、痛みがほとんどないような場合は問題とならないことが多いですが、自己判断は危険です。
正常範囲の子宮収縮かと思って様子をみていたら、通常の健診の際に検査をして即入院になった、なんてことはよくあります。
実際に子宮収縮をモニターする検査や超音波検査で異常値がでることもあるので「子宮が硬くなることが多いな」と感じたときはかかりつけ医に連絡をして一度診察を受けることが大切ですね。
切迫早産の原因
前述した子宮頸管無力症の場合は、子宮頚部を閉じた状態に保てないということが原因となります。
子宮頸管無力症の原因として、体質的に子宮頚部が軟らかく開きやすいという方もいらっしゃいますが、度重なる人工妊娠中絶手術による子宮頚部の損傷などが原因となっている場合もあるようです。
切迫早産の原因は特定できないことが多いのですが、特定できる中では、絨毛膜羊膜炎(CAM)が頻度が多く重要です。
細菌感染などが原因となり膣内に炎症が起き、子宮頚管、卵膜、子宮筋へと炎症が広がってゆくと、破水となったり、子宮収縮が起きたりします。
羊水過多、多胎、子宮奇形、大きな子宮筋腫なども原因となることがあります。
切迫早産の診断
診断に際して自覚症状の問診がまず行われます。
次に、子宮収縮がどの位の間隔で起きていて、その強さはどうかという点が重要になります。
子宮の収縮の自覚を「おなかが張る」と表現することが多いですが、お腹が張るという状態が夜寝る前に数回自覚しただけでその後は落ち着いている、という程度であれば、有意な子宮収縮ではないことが多いです。
しかし、数時間様子を見て規則正しく毎時間数回はお腹が張っているとなると切迫早産の症状として考える必要がでてきます。
妊娠後期になると健診で行われる胎児心拍モニターには陣痛計といって子宮収縮を測定する装置も付いています。
自覚症状がある場合はまず陣痛の状態を把握する意味でこの装置をつけて検査を行います。
子宮頚部の長さを経膣超音波検査で測定することで切迫早産の程度を評価できる場合があります。
子宮頚部はその長さが正常で35ミリ〜40ミリくらいあります。
経膣超音波検査でこの長さが短縮している場合には切迫早産の診断ができます。
どの位の長さで異常な短縮とするのかははっきりとした決まりはありません。
子宮頚管の長さだけではなく、その形も重要なんです。
目安としては、だいたい30ミリ以下になってくると切迫早産とされることが多いですね。
20ミリを切るようになると入院の必要性も出てくるかと思います。
切迫早産の重要な原因の一つである、CAM(絨毛膜羊膜炎)存在を調べることも切迫早産の診断の補助になります。
膣内の炎症をとらえることが出来るキットがいくつか販売されていてそれらを使用することで、重症化する前のCAMを検査することが出来ます。
切迫早産の治療
早産の中でも何週で胎児が出生するかによって、新生児の予後に差が出てきます。
妊娠34週の早産児と妊娠28週の早産児では出生後の合併症などの発生率も明らかに違います。
母体や胎児の状況が許せば、妊娠週数は少しでも延長したいものです。
しかしながら母体の状態や胎児の状態によっては妊娠継続することがマイナスとなることもあります。
その場合は治療を中止して、無事に出生させることが第一となります。
基本は安静と子宮収縮抑制剤の投与です。
自宅安静が必要と判断されたときは基本的には外出は控えて家の中のことだけを行うことになります。
同時に内服の子宮収縮抑制剤(ウテメリンなど)を処方されることが多いですね。
外来レベルでの治療で症状が増悪する場合(子宮頚管長がさらに短縮したり、子宮口が開いてきた場合)は入院管理が必要となります。
入院管理の最大の利点は安静度をあげることができる、点滴による子宮収縮剤を投与することができる、ことです。
週数の早い時期に入院となると、入院期間が長期化することも多々あります。
CAMが原因で切迫早産症状が出ているときには抗生剤の投与が行われることもあります。


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