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流産とは
流産とは
流産とは、妊娠22週までに様々な原因によって胎児が失われることをいいます。
頻度は全妊娠の約10〜15%ほどと言われています。
医学的な内容でこのくらいの確率になると決して珍しいことではなく、比較的よく見られる状態なんですね。
一般的にはおなかが痛くなって、大量の出血がして・・・というイメージがありますが、サイレントな流産もあるんです。
「妊娠7週で切迫流産でしたが、出血が増えてGSは排出されているようです。依然として出血が多く、不全流産のようなので流産手術が必要です。3回連続の流産なので習慣性流産とも言えます。今後は詳しく検査を予定しましょう。」
といった説明のときに沢山”流産”という用語がでてきます。
流産にはいろいろな観点から見た分類があり、混乱も多いので整理します。
時期による分類
妊娠12週未満の流産を早期流産、その後22週未満を後期流産と区別しています。
流産のほとんどは早期流産の時期に発生します。(流産全体の85%くらい)
12週を越えたあたりから流産の率が少なくなり、私たちもほっとする時期です。
臨床的内容による分類
切迫流産
少量の出血がありますが、子宮頚管は閉鎖したままで正常妊娠へ移行する可能性がある状態です。
切迫流産であっても妊娠継続となる方はたくさんいらっしゃいます。
今後どうなるかは予想ができませんので、通常よりも外来管理がより厳重になります。
進行流産
流産が開始し、出血も多量となり、子宮頚管も開大し始めて高率に流産へと移行します。
稽留流産
胎芽もしくは胎児が子宮内で死亡後(心拍が停止している)出血やおなかの痛みといった症状がほとんどない場合。
外来に予定通りに再診して、超音波検査で「残念ながら心拍が停止しています・・・。」と突然診断されることになります。
化学的流産(chemical abortion)
尿と使った妊娠反応検査が高感度となったことで発生した状態です。
妊娠反応は陽性となりますが、超音波検査でGSが確認できる前に通常の生理と同じような出血があることです。
妊娠反応検査をしなければ自覚されない妊娠で、完全流産となります。
感染性流産
妊娠中に子宮内感染が発症し流産となったもので、重症となると敗血症と言って死亡する可能性も高くなる状態です。
流産の結末による分類
流産となるとその後は以下のどちらかの状態になります。
完全流産
GSを含めた子宮の中の組織すべてが完全に排泄された状態。
経過観察していくと、次の排卵周期が自然と回復しますので流産手術が不要となります。
不完全流産
完全の逆で、子宮の中の組織が完全に排泄されずに、子宮内に残存物があり出血や腹痛がひどく、流産手術が必要な状態です。
流産の症状
流産の症状は基本的には出血と腹痛です。
稽留流産という状態がありますが、一般的に流産と言えばまずは出血ですね。
進行流産となれば、下腹痛もひどくなります。
初期の流産では膣からの出血以外に症状がないこともあります。
また、つわりの消失なども自覚することもあります。
進行流産の痛みは子宮の中のものを押し出そうとする(排出)ときの痛みです。
子宮収縮の痛み(子宮のけいれん)ですね。
進行流産が進んで子宮内の大部分が排出されると痛みが急にすっと減少します。
稽留流産の時は症状ほとんどありません。
出血や腹痛もなく、予定されていた2週間後の外来を受診し、超音波検査を受けて、その時始めて診断されることになります。
流産の際もしくは流産の後に残った子宮内の組織に感染が及ぶと子宮内感染となり、悪寒、発熱などの症状がでてきます。
軽症では抗生剤の内服で治りますが、ひどくなると全身に感染が及び敗血症となることもあります。
流産の診断
出血部位をまず確認します。
外子宮口から出血が肉眼的に確認できればその段階で切迫流産と診断されることが多いです。
頸管ポリープや広範囲の子宮頚部びらん(表面の皮が薄くなっている状態)がありそこから出血を見ることがあります。
早期流産の場合は、次に超音波検査で胎児心拍を確認します。
以前確認されていた胎児の心拍が停止していればその段階で流産と診断されます。
初診で妊娠週数が早くて胎児心拍が確認できなければ1〜2週間後に再確認します。
GSが存在していても、再診時、心拍が確認できなければほぼ流産と診断されます。
後期流産の場合は(妊娠12週以後)頸管無力症や感染性流産の可能性がぐっと高くなるので、子宮頚部の長さを測定したり感染や破水の有無をチェックして切迫流産の診断をします。
流産の治療
流産の場合(稽留流産や不全流産のとき)、流産手術が必要となります。
完全流産は手術は不要で経過観察を行います。
切迫流産の場合は安静(休職や自宅安静または入院安静)と止血剤などの間接的な薬剤の投与が行われることが多いです。
ただ、原因に染色体異常が多い初期流産の場合、安静と薬剤投与は効果がないことも多いです。
後期の切迫流産の原因である子宮頸管無力症のときは子宮頸管縫縮術(子宮頚部を太い糸でしばってしまう)を、感染性の切迫流産では抗生剤投与を行うことがあります。
子宮収縮が強い場合は子宮収縮抑制剤の内服や点滴を行います。


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