流産手術|2/2

流産手術 2/2

流産手術の危険性

流産手術は数分でおわる非常に短い手術ですが、手術としてのリスクもあります。
以下に書くことは滅多にないことですが、ここで解説しておきます。

妊娠した子宮は通常よりも軟らかく変化しています。 そのため金属製の器具を使用するので子宮に孔が空いてしまう子宮穿孔の可能性が高くなります。 子宮は筋肉なので小さな孔であればそのまま様子を見ることで収縮して自然に閉鎖しますが、大きくなると出血が多くなり開腹して孔を縫合する必要があります。

また、子宮のすぐ上には小腸や大腸がありますが、子宮と貫通して腸管を突き刺すと腹膜炎などが発生するのでやはり開腹手術が必要となります。 ”数分でおわる手術である”と術者が気を抜いてしまうことがもっとも危険なことです。

子宮内膜を掻爬(掻き出すこと)しますが、このとき子宮の筋肉の内側を軽く削ることになります。 流産手術を何回も繰り返すと子宮内部が荒れて、癒着を起こすことがあります。

これはアッシャーマン症候群といわれ不妊症の原因となります。 手術の回数が増えるとそれだけ確率は増えると推測されます。 流産手術は幾度と無く見てきましたが、完璧なアッシャーマン症候群の方は一度だけしか見たことがありません。
それだけ珍しいことではあります。

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流産手術は必要のある手術でやむを得ません。
しかし、自分の意志で行われる、中絶手術は避妊をすることで防ぐことができます。 中絶手術を何度も繰り返すのは、癒着という観点からすると良いものではありません。

子宮内腔に傷があると妊娠した時に癒着胎盤の可能性もでてきます。 癒着胎盤は非常に沢山の出血を起こしますので事前に情報があると助かります。 私たちが、妊婦さんに以前の流産手術歴などをお聞きするのはそのためでもあります。

流産手術時の麻酔中の管理もとても重要です。
一般的には静脈麻酔を使用して眠っていただくのですが、麻酔が深すぎると呼吸が止まってしまいます。
そのまま数分間放置されると、窒息と同じなので死亡する可能性もあります。

たとえ、一時的に呼吸停止が発生してもしっかりと監視していれば、声をかけて覚醒を促したり、麻酔の効果がなくなってくるまで人口換気をしばらく行うことで十分に対応ができるものです。
麻酔中は患者さんの様子を注意深く観察する必要があります。





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