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子宮内反症

子宮内反症とは?

「分娩後に子宮体部が内側に反転して、子宮頚管内や膣内まで脱出した状態」のことを子宮内反症といいます。 と、言われてもなかなかイメージが湧きませんね。 靴下を脱いだ後に靴下が裏返ることがありますね。
子宮内反症とは分娩後の子宮が裏返った靴下のようになった状態です。
数千分娩に一例あるかないかのとても珍しい状態ですが、診断・治療が遅れると大量出血・ショックのため母体死亡に至る可能性があり、とても重要な病態なんです。

子宮内反症の種類

子宮内反症は子宮体部が「裏返る」程度や裏返った子宮がどの位体外に脱出するかでいくつかに分けられます。

・子宮圧痕もしくは子宮陥凹

 ほんの少し子宮底部が「凹んだだけの状態」。

・不全子宮内反症

 内反した子宮体部が子宮頚部まででとどまっているもの。

・完全子宮内反症

 内反した子宮が外子宮口を超えて、膣内まで脱出しているもの。

上から順に重症になってきます。

子宮内反症の原因

一般的には胎盤は自然に娩出されるものですが、自然に排泄されない場合は臍帯を軽く牽引し娩出を促します。 胎盤が子宮から十分に剥離する前に、臍帯を強く引っ張ると胎盤と一緒に子宮が牽引されることになります。 牽引力が強すぎると子宮内反症が発生するというわけです。 原因の大半は人為的なものです。 ただ、自然に胎盤が剥離して娩出されるときも発症することもあり、母体の体質的な要素もあると言われています。

子宮内反症の症状と診断

子宮内反症が発生すると正常の子宮収縮機構が働かず、大出血が始まります。 重症では、腹部の激痛とそれに伴うショック状態(神経原性ショック)もしくは出血に伴うショック状態となることもあります。

完全子宮内反症の場合は膣内に真っ赤な腫瘤(内反した子宮の内面)を直視することになります。 不完全なものでも内診で反転した子宮を触れるので、診断は容易です。 程度を確認するために超音波検査が補助となります。 (経腹超音波検査で裏返った子宮の断面を観察することが出来ます。)

子宮内反症の治療

出血と激痛により発症直後よりショック状態となる可能性が高いので迅速な治療がとても重要です。
「内反だ!」と判断した瞬間に治療を開始する必要があります!
程度によりいろいろな治療法があります。

・非観血的用手整復術

内反症が発生したときはまず行われる治療です。
分娩後は子宮は収縮しようとするので裏返った状態で固まってしまう可能性があります。 そのため、まず子宮を弛緩させるために子宮収縮抑制を急速に投与します。

軽度の子宮陥凹では凹んだ部分を子宮内腔から内診指をつかって押し上げ整復します。
しかし、子宮内反症となった場合は基本的には全身麻酔下に整復します。
整復の際の激痛によるショックを防ぐ目的と吸入麻酔薬を使用することでさらに子宮を弛緩させるためです。 「裏返った子宮内面」を膣側から押し込むように整復します。

無事に整復できたら今度は急速に子宮収縮剤を投与して、直後に内反症が再発しないように十分注意します。 数日後に内反が再発することもあるため数日間は厳重な観察が必要となります。

・観血的整復術

用手的に整復できない高度のものや内反から長時間が経過し子宮頚部で絞扼された状態にあると観血的(手術により)整復術を行います。 開腹して直接、裏返った子宮を元通りにします。

・子宮全摘術

それでも整復できない場合や長時間が経過し子宮の血流が悪くなり子宮が高度ダメージを受けているときはやむを得ず子宮全体を摘出する場合もあります。




 

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