頚管裂傷

頚管裂傷

子宮頚管裂傷とは?

胎児は子宮頚部を通過して、膣を通過して誕生します。
子宮頚部は初産婦さんの場合、分娩開始前は指一本も入らないくらい閉じた状態です。 最終的に児頭の直径である約10センチまで子宮頚部は開くことになります。 子宮頚管が切れて断裂することを子宮頚管裂傷といいます。 少し切れた場合は出血もほとんどありませんが、出血が多ければ迅速な対応が必要となります。

子宮頚管は「ちくわ」のような筒状で、切れるのはだいたい縦方向が多いです。 また、時計の方向で3時方向と9時方向のどちらかが裂けることが多いですね。 時には横方向や3時、9時両側が裂けることもあります。

子宮頚部はその上の子宮体部に連続しているので、子宮頚管裂傷が大きく、子宮体下部まで裂傷が及んでいると(子宮裂傷)、大出血となり開腹術による縫合が必要となることもあります。

どのようなときに頚管裂傷となるの?

・急速に分娩が進行した場合
・子宮頚管が全開大になる前に吸引分娩や鉗子分娩が行われた場合
・巨大児で児頭が大きい場合
・子宮頚管縫縮術や子宮頚部円錐切除術が以前行われている場合


ものすごく早い出産は、子宮頚管が切れて分娩が急速に進行した可能性があります。 まだまだ、「いきむ」時期ではないときに腹圧をかけすぎると裂傷が発生する可能性が高くなります。 いきみを加えるのは「子宮頚管の開大が全開大となってから」というのはこんな訳もあるんですね。

子宮収縮剤を使用して陣痛が過強となった場合も分娩が急速に進行し頚管裂傷が発生しやすくなります。 胎児の状態が悪く急速に分娩を終了させる必要があるときに、吸引分娩や鉗子分娩が行われますが、これも全開大前に行われると頚管裂傷の原因となります。 (赤ちゃんを救命するためにはやむを得ない場合もありますが・・・)

切迫早産の治療などの時に子宮頚部を糸で縛ってしまう治療があります(子宮頚管縫縮術)。 数ヶ月間子宮頚部が糸で縛られた状態にあり、分娩の時にその糸を抜糸して分娩に望みますが、この縫合糸のために子宮頚部が瘢痕化して硬くなっていることが多く、このような場合も頚管裂傷となりやすいのです。 また子宮頚部円錐切除術は子宮頚癌の初期などに行われる手術ですが、この手術の後も同じ状況となり得ます。

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頚管裂傷の症状は?

胎児が娩出された直後からきれいな出血(鮮血)がさらさらと出てきます。
時に分娩経過中に出血が増えてくる場合もあります。 頚管裂傷が大きくても出血が少ないかほとんどないこともあります。 そのため産後直後の診察はとても重要です。

頚管裂傷の診断と治療は?

分娩後は出血が少なくても、大きく損傷している場合があるので、子宮頚管のチェックは必要です。 膣の一番奥の部分なのでなかなか視診で見えないこともあります。 その時は内診で断裂部をチェックします。

断裂部が発見されたらその部位をやや太めの吸収糸で縫合してゆきます。 重要なのは、裂傷部の上端を必ず確認することです。 出血点は上端部にあることがほとんどなので、十分に奥から縫合しないと止血が完全にできません。 もたもたしていると出血が増えるので、裂傷の基本は迅速な診断、縫合・止血です。

出血がない1センチくらいの比較的小さな頚管裂傷であれば、縫合しないことが多いです。 しかし、大きな頚管裂傷の場合は出血が少なくても縫合しておく必要があります。
これは次回の妊娠の際に子宮頚管無力症になる可能性があるためです。





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