過期産

過期産

過期産とは

分娩予定日は出産時期の平均値のようなものでこの日に生まれる訳ではありません。 そのため、正期産としての時期は37週0日〜41週6日とある程度の幅が設定されているわけです。 分娩予定日から少し遅れたくらいでは問題となることはほとんどありません。

妊娠42週0日を超えた場合は「過期妊娠」といいます。以前使用されていた「予定日超過」は最近では使用されなくなりました。 日本は過期産の頻度は全分娩2%ほどです。 海外に比較すると過期産となる率は非常に低いようです。 日本では比較的当たり前に行われている妊娠初期の週数補正は海外ではあまり行われていないことが原因のようです。 また日本では42週を超えないように、必要に応じて誘発分娩などの管理が多くの施設で行われているからだと思います。

なぜ陣痛が発来せずに過期産となるか、はっきりとした原因はわかっていません。

過期産はなにが問題となるのか?

妊娠期間が通常よりも長くなる過期産が問題となるのは以下のような理由です。

・過熟児
・巨大児
・胎盤機能不全
・羊水減少
・胎便吸引症候群(MAS)

過熟児

過熟児とは未熟児の反対の言葉で、子宮内で成長しすぎて、正期産の新生児と比較して胎児仮死などを起こしやすいと言われてきました。 最近の新生児医療の進歩で予後はよくなっているようです。

巨大児

週数にかかわらず、4000グラムを超えると巨大児といいますが、過期産では巨大児となりやすくなります。 巨大児は肩甲難産や分娩時外傷、母体の膣や外陰部の重症裂傷などの頻度が高くなります。

胎盤機能不全

胎盤にもタイムリミットがあります。過期妊娠となると胎盤機能が低下してゆきます。 胎盤の機能が低下すると胎児へ酸素供給や栄養供給が低下し、胎児に対してストレスが増加します。

羊水減少

過期妊娠では羊水が著名に減少しています。 羊水量は胎児の尿産生や胎盤循環状態などでも大きく変動します。 過期妊娠の際に羊水量が減少するのは、胎児の発育に伴う、胎児胎盤循環血液量の相対的な減少が原因ではないかといわれています。 羊水は分娩時のクッションとしての働きもあり、羊水量が著名に減少すると分娩時に臍帯圧迫などにより胎児徐脈などを引き起こす可能性がでてきます。 そのような理由からも過期妊娠は帝王切開の頻度も上昇します。

胎便吸引症候群

通常、胎児は子宮内では排尿しますが、排便はしません。 胎児に何らかのストレスが加わると便を失禁してしまうことがあります。 過期妊娠となり羊水がほとんどない状態で、胎児が便失禁をすると便は羊水の中を浮遊することになります。 分娩後の第1呼吸の際に口の中にあった胎便を吸飲してしまうと肺が胎便まみれになり、重篤な呼吸障害をひきおこしてしまいます。 このことを胎便吸引症候群(MAS)と呼んでいます。 過期妊娠ではこの病態が非常に起こりやすくなり、また重症化しやすいのが特徴です。

過期妊娠の管理は?

過期妊娠はいろいろなリスクが増加してきますが、どのように管理を行うかは国により違いがあるようです。 日本では一般的に42週を超えないように誘発分娩などが行われるのが一般的と思います。 経過観察を続ければいつかは出産になるという考え方もありますが、やはりリスクが増大してくるのであれば、妊婦さんや家族に対して十分な説明の後に、子宮収縮剤などの使用による分娩誘発も必要と思われます。





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