HELLP症候群
HELLP症候群とは
ビートルズの曲じゃありませんが、「ヘルプ症候群」と呼びます。
これは3つの病態の頭文字を略したものなんです。
溶血(hemolysis)、肝酵素の上昇(elevated liver enzyme)、血小板減少(low platelets)の症状が出現します。
妊娠高血圧症候群(旧妊娠中毒症)の患者さんに多く発生すると言われています。
妊娠中のみならず妊娠後(産褥期)に発生することもあります。
適切な管理が行われなければ死亡率も3割ほどあるともいわれ、怖い病態でもあります。
主な合併症は播種性血管内凝固症候群(DIC)、常位胎盤早期剥離、腎不全などがあります。
HELLP症候群の病態
はっきりとした原因は不明なんですが、血管を構成する細胞の障害、血管の攣縮(けいれんして収縮する状態)が推測されています。
妊娠中に血管を構成している「内皮細胞」が障害を受けて、細い血管にフィブリンという物質が沈着し、そこを通過する赤血球が障害を受けて「溶血」という現象が起きます
(赤血球が破壊されてその中の成分が流出すること)。
また血小板が活性化されて消費され、減少してゆきます。
肝臓の中の非常に小さい血管の異常を引き起こし肝臓機能の障害が肝酵素の上昇につながります。
HELLP症候群の症状
最も重要の症状は突然の上腹部痛や心窩部痛です。
これはHELLP症候群の患者さんのほとんどに見られる症状のようです。
これまで何も症状がなかった方が突然、「胃が痛い!」と訴えられます。
疲労感、倦怠感もかなりの方に見られます。
そのほかとして、嘔気や嘔吐、食欲低下などもあります。
ただ、この病気の特異的な症状ではありませんので(胃の痛みは一般的にあり得る症状と言うことですね)、診断が難しいところでもあります。
HELLP症候群診断と治療
上記の消化器系の症状と、診断は肝機能の低下、溶血の所見、血小板の減少がある一定の基準を超えると診断されます。
それぞれの診断項目が完全にそろっていなくても、何らかの症状があり、検査値が動いてきたら十分に注意をしてゆく必要があります。
急性妊娠脂肪肝と似たところもありますが、血小板の減少の程度などが違ってきます。
治療の基本は妊娠の終了になります(このあたりは妊娠高血圧症候群と同じですね)。
産褥期にも症状が出現することがあるので、疑わしければ分娩後も気を抜くことはできません。
妊娠の終了といっても週数が早ければ十分に注意して、できるだけの妊娠継続を続ける必要があり、治療に際して難しいところでもあります。
診断が下され、妊娠の終結のためには帝王切開術を選択することも多いですが、血小板の減少などがあるため血小板輸血などが必要となることも多いですね。


トップページ
妊娠検査薬