ロゴイメージ タイトルイメージ

<産婦人科の基礎知識/不妊症や妊娠のお勉強

トップページ >  流産と子宮外妊娠 > 子宮外妊娠

子宮外妊娠

ここでは、妊娠初期の異常の中でも、緊急手術となる可能性がある「子宮外妊娠」について解説します。 子宮外妊娠はectopic pregnancyといい、私たちは「外妊」や「エクトピー」と呼んでます。

子宮外妊娠って?

子宮外妊娠は通常とは違う場所(子宮の外)に受精卵が着床して、発育を始めることです。 子宮外とは「正常な子宮内腔以外」の意味で、子宮頚部や子宮から卵管に移行するぎりぎりのところに着床をしたものも子宮外妊娠とよんでいます。 子宮外に着床しても胎盤の形成がうまくいかないのでたいていが流産という結果になります。 流産してそのまま吸収されていくような軽症の場合もありますが、卵管が細いので胎嚢が発育する過程で(妊娠5〜6週あたり)で卵管破裂を起こすとおなかの中に大出血をおこして、ショックとなり死亡することもあり得る疾患です。

子宮外ってどこに妊娠するの?

卵管は卵巣に近いところから卵管采、卵管膨大部、卵管峡部、間質部を経て子宮内腔につながります。 受精は子宮内ではなく卵管内(特に卵管膨大部)で行われます。 受精卵が卵管を移動して子宮に運ばれて子宮内膜にふわっと降り立ち、着床、発育となります。 卵管の癒着などがあると受精卵が子宮まで運ばれずにその場で着床してしまいます。

子宮外妊娠のほとんどが卵管に着床します。(子宮外妊娠の90%以上が卵管です) 卵管のなかでも特に卵管膨大部が多いです。 そのほかとしては卵巣妊娠、腹膜妊娠、子宮間質部妊娠、子宮頸管妊娠などです。 非常にまれに腹膜妊娠が満期までいき生児を得たという例も報告されます。(もちろん母児ともに命をかけた妊娠ですが・・・)

子宮外妊娠の原因は?

卵管妊娠では以前受けた開腹手術やクラミジアや一般細菌などの感染症などによる卵管の癒着や狭窄が原因として考えられます。 体外受精後では自然妊娠と比較して子宮頸管妊娠の率が高くなっています。 胚移植の際に子宮の奥のほうに胚を戻しますが、着床はしたものの、その場所が子宮の出口ちかくにずれてしまうと頸管妊娠となります。
排卵誘発剤の使用により多排卵となり、二卵性双胎の頻度がふえますが、それにともない子宮内外同時妊娠が増加します。 子宮内外同時妊娠は非常に珍しい疾患だったのですが、最近は不妊治療が盛んとなり、かなり頻度が増えているようです。

子宮外妊娠の症状は?

強弱はありますが、90%以上で腹痛が見られます。
外出血(不正性器出血)はかならずしもあるとは限りません。全く出血がない子宮外妊娠もあります。 不正性器出血もあり、それが丁度次の月経予定日ころにあると、通常通りに月経がきたように見えることもあります。 この場合は本人は妊娠していると思っていないので腹痛がひどくなってから病院を訪れ、発見が遅れることになります。 「妊娠しているかも」という考えが頭にないと、産婦人科医ですら子宮外妊娠を見逃すこともあります。

「女性を見たら妊娠と思え」というやや乱暴な言葉があります。 これは、医療関係者(特に私たち産婦人科医)にとって忘れてはいけない言葉なんです。 「100%妊娠はないです!」と言われた40歳代後半の女性の下腹部痛の患者さんが、超音波検査ではっきりと卵管に胎嚢が見えて腹腔内大出血もあり緊急手術になった、なんてこともあります。

体外受精で子宮間質部妊娠や子宮頸管妊娠が多いことは想像しやすいのですが、卵管を介さない体外受精でなぜ卵管妊娠が発生するのかは疑問に思われる方も多いかと思います。 体外受精で培養液とともに受精卵を子宮内にもどしますが、このとき培養液とともに受精卵が卵管へ流れ込むので卵管妊娠が発生すると言われています。 卵管内に流れていってもまた子宮内に戻ってくれば卵管妊娠にはなりませんが、その子宮内への移送がうまく行われないと卵管妊娠という結果になります。

子宮外妊娠の診断はどうするの?

妊娠反応が陽性、腹腔内に大出血、ショック状態となっていれば、手術療法となりますので診断は早いです。 妊娠反応検査が高感度でなくまた手軽に手に入らなくて、超音波検査の解像度も悪かった時代では診断が遅れますのでこのような例も多かったと思います。 産婦人科に早い段階で受診する傾向になり、外妊は早期発見されるようになりました。 診断に苦慮するときは症状がまださほどない状態です。

まずは大切なのは問診です。
最終月経、基礎体温表、性交渉の時期などからいつ妊娠したのかを推定します。 このとき基礎体温表があれば非常に参考になります。体外受精などでは採卵日から妊娠週数を決定します。 出血の有無や内診で圧痛部位の確認も大切な項目です。
次に経膣超音波検査です。
妊娠5週はじめ頃には経膣超音波検査で子宮内に胎嚢が検出されます。 子宮内に胎嚢が発見されればまず外妊は否定されます。 妊娠週数がはっきりわかっていて胎嚢が確認されないときは外妊を強く疑います。 この時点で妊娠週数がはっきりしない場合は、週数が早くて胎嚢が見えていないだけかもしれません。 出血や下腹部痛の症状に注意しながら一週間後の再診とします。

外妊が疑われた場合は血中のHCGというホルモンを測定します。 ある程度以上の測定値にもかかわらず子宮内に胎嚢を認めない場合はその後週2回ほどのHCG測定と経膣超音波検査での十分な観察を行います。 その際、腹腔内出血の有無や量も大切な所見になります。

子宮外に(卵管など)に胎嚢が確認されれば、直接的な証拠なので外妊が確定します。 胎芽のみならず、心拍もはっきりと確認できることもあります。 ただし、はっきりと描出できることのほうが珍しいものです。 外妊といえばダグラス窩穿刺と教えられましたが、経膣超音波検査の解像度の向上で腹腔内出血はかなりの精度でわかるようになったので必須の検査ではなくなりました。

子宮外妊娠の治療は?

根治的な治療と保存的な治療がありますが、最近では早期発見や腹腔鏡手術の技術向上、薬剤の発達により卵管の機能を温存した治療も可能となってきました。

根治的治療

卵管がすでに破裂して破壊されて、大量出血を起こしている場合などに着床部位を含めて卵管を切除してしまう方法です。 おなかをがばっと開けて(開腹術)行う場合と腹腔鏡手術を行う場合があります。 今では外妊の手術は腹腔鏡で行うことが多くなってきました。(手術後の傷もめだちにくく、体の回復もとても早いです)

保存的治療

腹腔鏡手術、薬剤治療、待期的治療に分けられます。
腹腔鏡でも保存的に治療することもあります。
卵管妊娠部位を切開し中の胎嚢を摘出します。絨毛組織(のちに胎盤となる部分)が残存する可能性はあります。

薬物治療はmethotrexate(MTX)(メソトレキセート=メソ)という抗ガン剤の一種、高濃度グルコース、プロスタグランジンなどが使用されます。 欧米では外妊はもはや手術をしないで治療するというのが一般的となっているようです。 未破裂で胎児心拍がなく、外妊部分の直径が4cm以下で血中HCGが10000IU/l以下という条件でメソは使用されます。 メソを筋肉注射してHCGが低下してくるのをチェックして効果を判定します。(一回投与法と数回にわけて投与する方法があります)

待期的治療も場合により可能です。
外妊も流産という結果となり、着床部位から遊離して自然治癒する場合も2割くらいあるようです。 そのため、症状がなくHCGもさほど高くなければ厳重な管理で経過を観察するという方法もあります。

子宮内外同時妊娠というのもあるの?

通常の子宮内妊娠と卵管妊娠などが同時の発生する状態です。 子宮内外同時妊娠は自然妊娠では0.005%くらいと非常にまれです。 体外受精の時は同時にいくつかの受精卵を戻しますので頻度が1〜3%もあります。 そのため、体外受精の際は子宮内に胎嚢が見えても妊娠8週くらいまでは同時妊娠も想定した管理が必要なんですね。




 

インデントトップページ

インデント更新情報

インデント自己紹介

インデントおおびいの
おすすめ

インデントリンク集

  ・・・・・・・・

インデント流産とは

インデント流産手術

子宮外妊娠

  ・・・・・・・・

Copyright (C) 2007産婦人科の基礎知識 All Rights Reserved.