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会陰裂傷

会陰裂傷とは?

膣入口部と肛門の間の部分のことを会陰部といいます。
個人差がありますが、長さにして3センチほどの部分です。 分娩時、児頭が膣壁や会陰部の組織を圧迫して、引き延ばします。 最終的には約10センチほどもある児頭が膣入口部から出てきます。 最初は厚ぼったかった会陰部の組織(皮膚と皮下組織など)は児頭が出る直前はぺらぺらの紙のように薄く引き延ばされます。

この会陰部の組織が、分娩の際に切れて、もしくは裂けて(裂傷)しまうことを会陰裂傷といいます。 同様に膣壁が切れてしまうことを膣壁裂傷といいますが、同時に起こることも多いです。

経産婦さんは一度膣壁や会陰部が引き延ばされた経験があるので、次の出産の際は引き延ばされやすい傾向があります。 そのため、会陰裂傷は一般的に初産婦さんに多くなります。

人為的に切開を加えて会陰部を広くすることを会陰切開といいます。

原因はなに?

原因はいくつかあります。

・会陰部の伸展不良
・大きな児頭
・胎児の肩が通過する際の過度な会陰部の伸展
・急速な分娩進行
・会陰保護が足りない

会陰部の伸展不良は体質的なものもありますが、年齢とともに会陰部や膣壁の伸展性が低下します。 そのため、高齢初産はリスクが高くなります。 また、通過する児頭や肩が大きいとそれだけ損傷も大きくなります。 急速な分娩の時は膣壁や会陰部がゆっくり延びる時間がないので、裂傷を生じやすくなります。 陣痛に合わせるいわゆる「いきみ」を強くかけすぎた場合にも起こりえます。 分娩介助者の未熟さから会陰裂傷が生じる場合もあります。

会陰裂傷の種類は?

会陰裂傷はかすり傷程度から直腸まで裂けてしまう重症まで4段階に分類されています。

・第1度会陰裂傷;会陰部の皮膚のみ、膣壁粘膜表面のみ(かすり傷程度)
・第2度会陰裂傷;皮膚とともにその下の筋肉層まで損傷が及ぶもの
・第3度会陰裂傷;肛門を絞める筋肉の肛門括約筋が断裂したもの
・第4度会陰裂傷;会陰から肛門や直腸粘膜までが損傷したもの

第4度裂傷となると、治療(縫合)に一時間以上かかることもあります・・・。

会陰裂傷の診断はどうするの?

分娩直後の視診が重要です。
肉眼的にどの深さまで損傷があるのかをチェックします。 2度裂傷かと思っても膣の奥深くで直腸が裂けて4度裂傷となっている場合もまれにあるので、分娩直後の直腸診は大切なんです。

会陰裂傷の治療はどうするの?

裂傷を縫合することになります。
合成吸収糸という、時間がたつと自然と溶けてしまう細い糸を使用して裂傷部を縫合します。 そのため一般的な傷では抜糸は必要ないことが多いですね。 会陰切開部だけの傷は、はさみで切ったきれいな傷なので縫合時間も短くきれいに仕上がります。

2度裂傷までは一般的に起こりえるもので、10分もあれば縫合も終わります。
裂傷部が大きいと、どことどこが元々くっついていたのかがわからないくらい裂けています。 こうなるとパズルを解くように縫合するため時間もかかります。

3度裂傷は肛門括約筋という肛門を絞める筋肉が断裂しています。
肛門括約筋は肛門の周囲を取り囲む輪ゴムのような筋肉です。 この筋肉が断裂すると肛門のしまりが緩くなるため、断裂した筋肉を元のように引き寄せてあげる必要があります。 その後は2度裂傷と同じです。

4度裂傷は直腸まで裂けているので、まず直腸の粘膜を縫合して、肛門括約筋を縫合して、その後は2度裂傷と同じとなります。 注意深い縫合となるので長時間となり、大きな病院へ搬送となる場合もあります。

3度、4度裂傷の術後は創部離開を防ぐために便を軟らかくしたり、食事を軟らかい消化のよいものに変更したりと術後管理も重要です。




 

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