妊娠とアルコール
アルコールはコンビニやスーパーでも気軽に買うことができる飲料ですが、立派な薬物です。
妊娠中はお酒、焼酎、ビール、酎ハイ、ワインなどのアルコールは断つべきですね。
アルコールの胎児移行
お母さんが飲酒するとアルコールが血中に入りますが、胎盤を簡単に通過して、胎児にアルコールが移行します。
お母さんはアルコールを解毒する仕組みが肝臓にありますが、胎児は解毒機能が未発達です。
お酒の成分であるエタノールやその代謝産物であるアルデヒド毒性が胎児を直撃することになります。
実は母体以上に影響を受けているわけです。
胎児アルコール症候群について
妊娠中のアルコール摂取で胎児アルコール症候群=Fetal Alcohol Syndrome(FAS)といって、障害を持った赤ちゃんが生まれるおそれがあります。
FASの特徴として、
1.子宮内での成長や発達の遅れ
2.脳などの中枢神経の障害
3.特徴的な顔貌(上の唇が薄い)、頭が小さいなどの頭蓋骨の奇形
2の中枢神経の障害として、刺激に対して過剰反応する、落ち着かない、適応障害、学習障害などがあります。生まれたときにはふつうの赤ちゃんに見えても、脳の障害は成長してから現れることもあります。
実際に障害が出てきたときに、妊娠中のアルコールが原因ではないかとは普通の人は思いませんので、「なぜ、自分の子供に障害がでたのか・・・」と思い悩むこともあるかと思います。
欧米などは飲酒の量が日本より多いので一概に比べられませんが、欧米では精神発達遅延の10〜20%はアルコールが原因ではないかともいわれています。
妊娠中はどの期間でも飲酒はすべきではないですね。
妊娠初期の器官形成期には奇形を発生させ、妊娠中期や後期では胎児発育遅延や中枢神経障害を発生させるといわれます。
「どのくらいなら妊娠中でも大丈夫なの?」という質問もありますが、実はどのくらいなら大丈夫という安全量がはっきりわかっていないんです。
少ない量でも影響があることもあるので、妊娠中、授乳中はいっさいやめるべきですと説明しております。
普通はFASは大量の飲酒をしている母体から生まれています。
飲酒をすると必ず上の3つの症状がそろうというわけではありません。
妊娠中期後期に飲んでいたら顔面の奇形はほとんど発生せず脳の障害だけが発生することになります。
アルコールの胎児への影響は、なにもアルコール依存症や中毒のお母さんだけの話ではありません。
アルコールが原因と考えられる中枢神経の障害のお子さんを出産した例の多くは、週に数回程度の飲酒だったという衝撃的な話もあります。
最近のビールなどには「飲酒は20歳を過ぎてから」という項目の横にちっちゃな字で「妊娠中や授乳期の飲酒は胎児、乳児の発達に悪影響を与えるおそれがあります」と書くようになりました。アメリカなどではだいぶ前からそのような「警告文」が書かれていたようですが、日本ではほんの数年前からです。
「おかあさん、お酒なんかいらないよ・・・。」と胎児が思ってもへその緒からじわじわ流れてきます。
解毒作用は未発達の胎児にとってお母さんが飲酒することは、酒の弱い人が無理に一気のみをさせられている状態と同じかもしれません。
追加;授乳中もとても影響あるといいます。
お酒を飲んだ後に母乳をあげて急性アルコール中毒になった新生児を診たことがあると小児科の先生が話をしてました。
お母さんは全然酔うような量じゃなくてもです・・・。


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