子宮卵管造影(HSG) 1/2

今回は子宮卵管造影(hysterosalpingography=HSG)(ヒステロ)について解説します。
普通のレントゲン検査(エックス線)を行っても子宮は写りません。
「子宮卵管造影検査」はエックス線に反応して白く写る造影剤というものを子宮の中に注入して行う放射線の検査です。 不妊症の検査では早期に行われるべき、必須の検査といえます。

なにがわかるの?

主に以下のようなことがわかります。
・子宮の内側の状態(子宮奇形や内膜ポリープやアッシャーマン症候群)
・卵管の疎通性(通りがよいか)
・卵管周囲の癒着の推測

子宮奇形は超音波検査ではっきりしない微妙なものもあります。
ヒステロを行うと、子宮の内側の形がはっきりと描出されるので、どのタイプの奇形かかなりはっきりします。一般の不妊症の方よりも、習慣性流産もしくは不育症の方は子宮奇形の率がやや高くなるので、特に重要な検査です。

卵管采の先端で造影剤がたまって袋状に見えて、造影剤が卵管采からおなかの中に流れなければその卵管は完全に閉塞していることがわかります。 これが両側に見られると、通常の方法では妊娠成立することが不可能となります。

スポンサーリンク

しかし、子宮卵管造影も完全ではありません・・・。
卵管の片方が狭くて、もう片方が正常であると造影剤が圧の低い方により多く流れて、片方に造影剤が流れていかずに「片方が閉塞している」と診断されることもあります。 このような場合は圧をつよくかけたり、日数をおいて、再検査するとちゃんと造影剤が流れることもあります。
「子宮卵管造影で異常なし」と診断されて、造影剤の通過は良くても、受精卵の輸送がうまく行われない異常や受精卵のpick up障害による卵管性不妊があれば、なかなか妊娠に恵まれないという結果になります(原因不明不妊の一種ですね)。
このあたりは子宮卵管造影の限界でもあります。

また検査を行う側の手技的な問題もあります。
造影剤を注入する管のセッティングが悪く、造影剤が膣の方へちょろちょろ流れて十分な圧力で卵管の方へ入っていかないと、一見卵管の疎通性が悪いと判断されることもあります

具体的にどうするの?

月経が終わり出血がない日で排卵前に行います。
月経開始から7から9日目頃ですね。
検査の時に使用する「造影剤」は油性の造影剤水性の造影剤があります。
また、造影剤を注入する道具も「軟らかいビニールのもの」と「硬い金属製のもの」があります。

全体的な流れをシミュレーションしてみましょう。
更衣室で下着を脱いで、ガウンを着たりタオルを巻いたりして、検査台の上に横になります。
産婦人科医師が内診台での診察のように膣内にクスコを入れ、膣内を充分に消毒します。
造影剤を注入する管(カテーテル)を子宮頚部にあてる、もしくは挿入し準備完了。
このとき、子宮頚部をピンセットの様なものでつまむことがあり、痛みがあります。
エックス線の透視を行いながら(リアルタイムで観察しながら)子宮内に造影剤を流し込みます。

卵管の先端まで造影剤が流れたところで一枚、卵管采から造影剤がおなかの中に流れた後にもう一枚撮影します。 油性の造影剤の場合には翌日にもう一枚、水性の造影剤では30分後にもう一枚の計3枚撮影することになります。 クスコなどを外して終了となります。
この間、大体15分以内くらいです。





スポンサーリンク