ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)2/2

排卵率や妊娠率はどのくらい?

排卵率は90%以上です。
妊娠率は背景によって大きく数値が違うので一概に言えませんが、20〜40%くらいと言われています。
ただ、妊娠しても流産率も高いともいわれています(これは使用される背景も関係してます)。

副作用は?

強力な排卵誘発剤で副作用も強力です。
ゴナドトロピン療法を行って死亡する例が見られるのも事実です。ただ、恐れてばかりいては妊娠が成立しないので、副作用の発生をできるだけ押さえるよう厳重な管理下に使用されることになります。決して漫然と投与されるべき薬剤ではありません。

代表的な副作用に多胎の発生卵巣過剰刺激症候群(OHSS)があります。
hMG療法の多胎の発生率は15〜20%といわれ、その中でも双子が80%、三つ子が15%、四つ児が3%くらいといわれています。 OHSSは刺激された卵巣が10センチ以上に大きくなり大量の腹水が貯留し、様々な合併症を起こし重症化すると死亡に至る非常に怖いものです。クロミフェン周期では0.02%くらいと言われていますが、ゴナドトロピン療法では2% くらいあり、注意が必要です。

具体的な使用方法は?

hMG製剤はLHの配分により多数の製品が使用されています。
個々の症例によって使用する薬剤も違ってきますので一般的な方法を書いておきます。
hMG製剤はその中に入っている成分の量の違いで75IUと150IUという製品があります。内服薬ではなく注射剤です。人工的な月経(消退出血)や月経周期の3日目〜6日目(day 3〜day 6)ころからhMG製剤を1日75IU〜225IU(注射1本〜3本)を連日、皮下注射や筋肉注射で投与します。卵巣の反応性による個人差が非常にありますが、大体6日間〜10日間ほどの投与となります。 卵胞が成熟したら(成熟卵胞の目安は卵胞平均径が16〜18mmくらい)hCGを5000〜10000IUを投与して排卵を起こします。 hCG投与後は通常36時間〜48時間の間に排卵が起こるので、性交もしくは人工授精はhCG投与の当日か翌日に行うことを指導します。



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hMG投与方法は沢山の種類があります。
投与開始時期はday3〜day6くらいで同じですが、その後の投与方法が違ってきます。

■用量固定法

毎日同じ量のhMG製剤を投与するものです。
day3〜day6からhMG製剤を75IU〜225IU/日を患者さんに合わせて用量を固定して連日筋肉注射(筋注)する方法です。主席卵胞が18mmに達した時点でhCG製剤を5000IU筋注して排卵を誘発します。この方法は簡便ですが、治療後半でもFSHが多く投与されるので多数の卵胞発育が起こり、OHSSや多胎妊娠の可能性が高くなるといわれています。

■隔日投与法

一日おきにhMG製剤を投与するものです。
用量は固定です。連日投与よりも多胎の発生が少なく、通院日数も少なくなりますが、投与量の調節が少し難しくなります。

■漸減投与法(ぜんげん)

だんだんと投与量を少なくしてゆく方法です。
自然周期のFSHの分泌をまねする方法です。
投与開始の最初の2日間を225IU/日、その後5日間を75IU/日連日投与し、反応性をみて卵胞径が18mmに達した時点でhCG製剤を5000IU筋注して排卵を誘発します。最初の投与が多くなり、過剰投与で多数の卵胞が発育しすぎる可能性もあります。

■少量漸増投与法(ぜんぞう)

だんだんと投与量を多くしてゆく方法です。
day3〜day6からhMG製剤を75IU/日で投与し、卵胞発育が見られない場合は7日ごとに37.5IU/日(注射半分の量)ずつ増量し卵胞径が18mmに達した時点でhCG製剤を5000IU筋注して排卵を誘発します。この方法は卵胞発育が開始する最低量のFSHを維持することで単一の卵胞発育を目的としている長期投与になるがOHSSや多胎の発生率が減ってもっとも安全性が高いともいわれています。



その他携帯ポンプを使用してできるだけ自然のFSH分泌をまねしようとする方法などいくつか種類があります。先に書きましたが、排卵誘発剤に対する反応は個人差がありますからどの方法を選択するかは主治医の判断、腕の見せ所となります。





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