ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)1/2

ここでは、強力な排卵誘発法であるゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)について解説します。
非常に排卵率が高くなる反面、危険な副作用を起こす可能性があり十分な注意と観察が必要となる治療法です。体外受精時にも必ずと言っていいほど使用される大切な方法ですので、しっかりと勉強していってくださいね。

ゴナドトロピン療法って?

まずゴナドトロピンについて復習しましょう。
ゴナドトロピンは下垂体から分泌される黄体化ホルモン(LH, Luteinizing Hormone)と卵胞刺激ホルモン(FSH, Follicle-stimulating Hormone)のことをいいます。視床下部にはじまる月経周期コントロールは下垂体からこれらのゴナドトロピンが放出されることによって卵巣に伝搬されています。ゴナドトロピンは卵巣を刺激することになります。

排卵がうまくいかない場合にゴナドトロピンを投与することで卵巣を刺激して排卵を促す方法をゴナドトロピン療法といいます。
約30年前にhMG(human menopausal gonadotropin)という閉経後の女性の尿から抽出した卵巣を刺激するホルモン剤が開発されました。具体的な商品名はヒュメゴン、HMGテイゾー、HMG日研などです。



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閉経した女性はエストロゲンが著明に低下します。
そのネガティブフィードバックをうけて下垂体からゴナドトロピン(LHとFSH)が大量に分泌されます。それが尿中にも排泄されるので尿が材料となっているわけです。
hMG製剤にはFSHとLHが両方含まれています。
卵胞発育にはFSHが重要な役目を示すのでLHをできるだけ排除した製品が開発されてきました。LHをほとんど含まないものは精製hMG製剤や高純度FSH製剤といわれます。(フェルティノームP)また、最近では遺伝子組換え技術を駆使して作られた純粋なFSH製剤(リコンビナントFSH;rFSH フォリスチム)も日本で使用できるようになってきました。

ゴナドトロピン療法ではそのままだと排卵しないことも多いため、LH作用をもつhCGを注射してLHサージを人工的に起こし、排卵へ導きます。ゴナドトロピン療法をhMG-hCG療法といわれるのはそのためです。

どこに効いているの?

hMG製剤はFSHやLH作用を持つので直接卵巣に作用し卵胞発育を促します。
クロミフェンが卵巣を間接的に刺激するのに対して、hMG製剤は直接卵巣を刺激するわけです。

どんなときに使うの?

CC(クエン酸クロミフェン;クロミッドなど)の投与でもうまく排卵が起きない場合、視床下部性第2度無月経、下垂体性無月経の場合に使用されます。またCCと同じで正常に排卵している場合でも使用することは多いです。 これは過排卵による受精の確率をあげたい時、クロミッドの抗エストロゲン作用を排除したい時などですね。体外受精の際に多数の卵子を採取する必要がありますが、この時も高頻度で使用されています。ARTの妊娠率の向上はゴナドトロピン療法によるところも多いといわれています。





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