子宮頸がん検診結果(ベセスダシステム)|2/2

子宮頸がん検診結果(ベセスダシステム)2/2

新しい結果報告様式ーベセスダシステム2001に準拠してー

新しい結果報告ではこれまでの「クラス2」などという結果ではなくもっと「具体的に」報告されます。
以下の3つが記載されています。

1、検体の種類
これはがん検診の際の細胞の採取方法と細胞を処理する方法を記載したものです

2、検体の適否
次に重要なことは細胞を採取した検体がちゃんと診断に耐えうるクオリティがあるかどうかということですね。 ここで判定が困難な検体は無理に診断をせずに「再検査をしてね」ということになります。

3、細胞診判定
最も重要な結果の内容報告です。クラス分類ではなく推定病変を記述的に記載するというものです。 どういうことかというと、より具体的にどのような状態が疑われるかを記載することになります。 子宮頸部の細胞の異常は扁平上皮系の異常と腺系の異常に分けて判定されます。前者が圧倒的に多いですね。 ここではメインとなる扁平上皮系について解説します。

                                   
扁平上皮系の細胞診結果
結果 略語 推定される
病理診断
従来の
クラス分類
英語表記対応
陰性 NILM
「エヌアイエルエム」
非腫瘍性所見
炎症
I
II
Negative for
intraepithelial lesion
of malignancy
異常なし;
定期検査
意義不明な異型扁平
上皮細胞
ASC-US
「アスカス」
軽度扁平上皮内病変疑い II
IIIa
Atypical squamous
cells of undetermined
signification
(ASC-US)
要精密検査;
1HPV検査施行
陰性の場合
1年後に細胞診 
陽性の場合;
 コルポ、生検 

2 HPV検査非施行
6ヶ月以内に細胞診検査
HSILを除外
できない
異型扁平
上皮細胞
ASC-H
「アスクエッチ」
高度扁平上皮内
病変疑い
IIIa
IIIb
Atypical squamous
cells cannot exclude
HSIL (ASC-H)
要精密検査;
コルポ、生検
軽度扁平
上皮内病変
LSIL
「ローシル」
HPV感染
軽度異形成
IIIa low grade
squamous
intraepithelial lesion
同上
高度扁平
上皮内病変
HSIL
「ハイシル」
中等度異形成
高度異形成
上皮内癌
IIIa
IIIb
IV
High grade
squamous
intraepithelial lesion
同上
扁平上皮癌 SCC 扁平上皮癌 V Squamous cell
carcinoma
同上

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英語や専門用語が多く難しいですね。
表の順番は前後しますが、分かりやすい例から始めましょう。
頑張ってついてきてくださいね。

陰性 NILM (読み方;ニルム、エヌアイエルエムなど)
これまでの日母分類ではクラス1やクラス2に分類されています。いわゆる「がん検診で異常なし」という感じです。 推定される状態は「腫瘍性変化が認められない」、変化があっても腫瘍性変化とは関係のない「炎症による変化」などですね。一安心です。ただ、異常は無いと言っても毎年の検診がお勧めですね。

軽度扁平上皮内病変 LSIL(読み方;ローシルやエルシルなど)
いわゆる「がん検診で異常あり」となります。ただ、軽度の異常といった印象です。これまでの分類ではクラス3aにはいるものです。 細胞診から推定される病変は「HPV感染」や「軽度異形成」となります。精密検査で軽度異形成と診断されてもこれ以上の段階へ伸展する率は12%から16%くらいと低率です。積極的な治療ではなく定期的な受診と経過観察で軽度異形成の大部分は自然治癒(消退)すると言われています。特に30歳未満の若年女性ではおよそ90%は消退するようです。実際の外来診療でもLSILで軽度異形成の方はかなりの方が消退することはよく経験します。

高度扁平上皮内病変 HSIL(読み方;ハイシルやエイチシルなど)
注意が必要な判定です。推定される病変は「中等度異形成」「高度異形成」「上皮内癌」などで、これまでの分類だとクラス3a、クラス3b、クラス4で表現されていました。初期の癌に近い状態も推定されるので精密検査や治療がぜひとも必要となることが多いです。

扁平上皮癌 SCC (読み方;エスシーシー)
これは癌細胞が直接観察されている状態で、「癌」の可能性が非常に高い状態です。これまでの分類ではクラス5となり、総合病院などへ紹介、なんらかの治療が必要となります。

さてこれからはやや分かりにくいASC-USとASC-Hについて解説します。

意義不明な異型扁平上皮細胞 ASC-US (読み方;アスカスなど)
これはこれまでの「偽陽性」、分類だとクラス2やクラス3aに相当します。先述した「LSILが疑われるがLSILの判定基準を満たさないもの」と判定されます。「判定が難しい」や「鑑別が困難である」などと説明されます。ただ、炎症などで腫瘍性変化がないものはこれには含まれませんのでより厳密なものとなります。このASC-USの中には中等度異形成は高度異形成も10%位は含まれるので十分な注意が必要となります。対応としてはHPV検査による判定が望ましいのでが、それが不可能な施設であれば6ヶ月以内の再検査をする必要があります。

HSILを除外できない異型扁平上皮細胞 ASC-H (読み方;アスクエッチなど)
ASC-USとにてますが、より結果は悪い可能性が高い状態です。中等度異形成以上の高度病変が疑われるが、断定できない場合です。「高度病変疑い」と説明されます。早急な精密検査が必要となります。





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